東海国立大学機構は６月１９日から、高校生や社会人向けに大学の正課外教育コンテンツの一部をインターネットで配信する取り組みを開始しました。 

配信を担当するのは、動画配信事業を手掛ける株式会社ドワンゴおよび株式会社KADOKAWA（代表取締役社長：夏野 剛）です。当機構と両社は2022年６月、デジタル技術を活用して共同で次世代人材の育成を目指す包括的提携を結んでおり、その“第一弾”の取り組みです。 

 

また、コンテンツ配信にあわせ、特別講義イベントとして、６月24日に自動運転の実演授業を実施しました。研究用車両が名大キャンパス内を自動走行するとともに、名大が実施する卓越大学院プログラム「ライフスタイル革命のための超学際移動イノベーション人材養成学位プログラム（TMI）」の担当教授が最新技術を紹介し、当日の講義には両社が運営支援する“ネットの高校”「N高等学校」「S高等学校」の生徒が参加しました。なお、より多くの方に取組を知っていただくため、講義の模様はドワンゴが運営する学習サイト「N予備校」で配信するほか、ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」、YouTubeでも放送されています。  

 

東海国立大学機構・ドワンゴ・KADOKAWA　包括的提携協定について 

東海国立大学機構はドワンゴおよびKADOKAWAと提携し、機構が掲げる「デジタルユニバーシティ構想」に基づいて、高校生を中心とした次世代へのSTEAM教育や社会人を中心とした専門性の高いリカレント教育を展開することを中心に、大学機能の拡大に共同で取り組むことを2022年6月に合意しました。 

この合意に基づき、東海国立大学機構が注力している社会課題解決のための最先端の研究を中心とした講義コンテンツを、ドワンゴとKADOKAWAが運営支援しているN高・S高の生徒をはじめ広く社会に提供し、先端技術の意義や重要性をリアルに感じてもらうことで、学習意欲の向上を図り、将来のイノベーションエコシステムを支える人材育成に貢献します。

 

プレスリリース：

 

【配信予定の講義】 

 名古屋大学数理・データ科学教育研究センター（以下、MDS）の実践データサイエンティスト育成プログラムや、TMIの自動運転などのモビリティイノベーションプログラムの教育コンテンツをN予備校で一部公開します。同コンテンツは、N高・S高の生徒および一般の方も利用することができます。  

 

6月19日配信 

講義／動画名	講義内容	担当講師	提供元
数理科学基礎	機械学習や一般的な実験などの評価によく用いられる、統計学の基礎について学修	鈴木 優（岐阜大学工学部准教授）	MDS
実世界データ処理学	データ倫理、プライバシー保護、データ前処理、クレンジング、データエラー検出、正解データラベリング、データ量と計算量、過学習などを対象とした実世界データを扱う上で必要となる事項について学修	三好由純（名古屋大学宇宙地球環境研究所教授）、松下 健（株式会社オプティマインド代表取締役社長）ほか	MDS
ドメイン数理知識	解析するデータの背景知識を数理的に理解することを目的に学修	武田一哉（名古屋大学未来社会創造機構教授）ほか	MDS
プロジェクトマネジメント基礎	実データを活用した課題解決をグループで進めるための基本事項及びスキルを学修	西村訓弘（三重大学大学院地域イノベーション学研究科教授）ほか	MDS
モビリティイノベーションプログラムの紹介	モビリティイノベーションプログラムの紹介	河口信夫（名古屋大学未来社会創造機構教授、TMIコーディネーター）	TMI

 

 

7月24日配信予定 

人間活動と移動	人における移動の意義について	森川高行（名古屋大学未来社会創造機構教授）	TMI
高齢社会と運転特性	日本の人口動態・高齢化、全体及び高齢者の交通事故件数の推移（死亡事故形態の割合）、年齢X法令違反別の特徴などについて	青木宏文（名古屋大学未来社会創造機構特任教授）	TMI
つながるクルマの発展フェーズ  ～自動運転:自律から協調へ～	つながるクルマによる変化、つながるクルマの物理構成、つながるクルマのサービスなどについて	佐藤健哉（同志社大学理工学部教授／名古屋大学大学院情報学研究科附属組込みシステム研究センター特任教授）	TMI