低温プラズマ総合科学研究拠点

低温プラズマ総合科学研究拠点

 

目的

低温プラズマは、ほぼ全ての産業を根底から支え、半導体製造の全工程の80%を担い、この40年間にわたる微細加工の技術革新を牽引する我が国のモノづくりの生命線である。最近では医療・農業分野との異分野融合を推進して、がん細胞の選択死滅や植物の成長促進などの効果が発見され、それら効果を研究するプラズマバイオ分野が創成され、健康医療や食料農業においてライフイノベーションを興す世界最高峰の研究を進めている。将来のプラズマ技術を見据えて、両大学の強みを相乗的に活かし、国内外の研究者との多様な共同利用・共同研究を推進する拠点を形成する。

 

概要

低温プラズマは「物質創生」のコアであり、環境・生命にエネルギーの流れを生み出すもので、人類社会の豊かな繁栄は、低温プラズマの技術なくしてあり得ない。未来に向けて、カーボンニュートラルの実現や、世界的食糧問題の解決を目指す破壊的イノベーションを達成する為に、名古屋大学・低温プラズマ科学研究センターと岐阜大学・工学部附属プラズマ応用研究センターを統合する低温プラズマ総合科学研究拠点を構築し、両大学が連携をはかりつつ、低温プラズマを中心に据える多様な学問領域の境界を越える学融合領域によって、低温プラズマの新価値創成を進める拠点を形成する。

 

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目指す成果

本拠点は、持続的に基礎科学の進化から迅速に新価値を創成し、社会実装に直結する世界的な研究を牽引する。

 

低温プラズマ科学の学術分野の技術の標準化と継承を効率的に進め、全国と世界の研究機関、企業群との間で実施する研究のマネジメント機能を強化し、低温プラズマ科学デジタルラボシステムの構築を進める。

 

既に立ち上げているプラズマバイオ、先進半導体プラズマプロセス、グリーン・DXの3つのコンソーシアムの基盤を介して、世界的な枠組みで共同研究を実施し、異分野の研究者がチームラボを構成し、共鳴的相互作用によって協同して価値創造する場を設けることで、将来の産業の創出の担い手となる専門人材の育成も進める必要がある。そのため、これらの研究推進と学生にとっての生きる力を学ぶ場として、物質・エネルギー/環境・生命の科学分野を横串しに捉える総合科学としてのプラズマ研究を強力に推進する

 

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社会への波及効果

低温プラズマ科学に関する多様な共同利用・共同研究を国内外の研究者と両大学の強みを相乗的に活かして推進することで、先進プラズマ計測に基づくシミュレーション技術を駆使した基礎学理の探求、半導体デバイスプロセス、機械設計工学、トライボロジー、エアロスペースなどのモノづくりをはじめとし、医療や農業、様々な分野に革新をもたらすイノベーションがもたらされ、持続可能な開発目標(SDGs)やSociety5.0の実現に発展的に結びつく革新がもたらされる。