糖鎖生命コア研究拠点(iGCORE)

糖鎖生命コア研究拠点(iGCORE)

Institute for Glyco-core Research (iGCORE)

目的

これまでの生命科学は、糖鎖の理解やそれを研究するための技術・統合拠点が不足していたため、糖鎖を大量に含む生命の本質(コア)が十分に理解できていない。「なぜ我々の持つ全ての細胞が多様な糖鎖で覆われているのか」、その答えを探す。本拠点では、世界トップレベルの糖鎖化学・イメージング(岐阜大学)、糖鎖生物・糖鎖医学(名古屋大学)分野の両大学の研究者が集結し、糖鎖分析、糖鎖数理モデルなどの分野をさらに強化することで、世界で無二の統合的糖鎖拠点を形成する。それにより、核酸、タンパク質研究より一次元上の生命原理の解明を世界で初めて可能にし、個別予防や未病検知といった医療革新につながる基礎研究を推進する。

 

概要

これまでの岐阜大学の糖鎖合成、イメージング、名古屋大学の糖鎖生物、医学の強みを基盤技術とし、さらに分析、計算科学、数理、インフォマティクス等の手法を加える。それによって「一分子レベル(個々の糖鎖の挙動や物性)」⇒「細胞レベル(糖鎖の集合体が細胞でどのように働くか)」⇒「生体レベル(生理現象や疾患における糖鎖集合体の役割)」の階層別に糖鎖機能を解析し、統合させることにより糖鎖生命原理の解明を目指す。

 

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分野融合研究の実施および交流型の運営によって高度な教育を提供し、世界を牽引する研究者を育成する。

 

我が国の糖鎖科学の中核拠点として、糖鎖研究のコンサルテーション(研究相談)を実施し、さらに糖鎖の教育トレーニング、受託分析や受託合成の仕組みを構築して、「糖鎖=東海」という概念の基盤の拠点となる。

 

世界の糖鎖研究をリードする拠点として、海外の糖鎖研究拠点(グリフィス大学(オーストラリア)、アルバータ大学(カナダ)、リール大学(フランス)、アカデミアシニカ(台湾))と連携し、研究交流、人材交流によって、統合的糖鎖研究を世界規模で牽引する。(令和2年度 日本学術振興会 研究拠点形成事業Core-to-Core Program(先端拠点形成型)採択)

 

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目指す成果

個々の糖鎖の性質を深く理解し、それらの糖鎖が集合して引き起こされる生命現象の仕組みのコア(=糖鎖集合体が支配する複雑な生命原理)とその破綻による疾病発生の仕組みのコアを理解する。これまでDNAやタンパク質の研究から明らかにされてきた生命原理を一次元上へと大きく飛躍させ、ヒトの細胞や個体で起こる生命現象を真に理解する。日本がこれまで世界をリードしてきた糖鎖研究の力を集結し、世界一の糖鎖統合研究拠点となって世界の糖鎖研究を牽引する。

  

社会への波及効果

糖鎖が司る生命現象の本質(コア)の理解を進めることにより、細胞・生命の基本的な理解が刷新(生命科学のパラダイムシフト)される。併せて、人類の脅威であるがん・認知症・感染症などの疾患の発症・悪性化の仕組みの理解を新たにし、医療の革新(未病の検知、難病治療、感染防御)がもたらされる。

 

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